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職員のブログ

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はるな郷の空の下で

2023-07-17
               写真はイメージです。
  屋外を巡視していたら、ガサッと音がしたんです。はっとしてライトを向けると、一頭の鹿が、自由が丘を駆け上っていったんです。結構な大きさでした――宿直職員から報告があった。丘の先は霊園。さらにその先は、森林に縁取られた星座の世界である。

その星座の世界に初めて触れたのは、今年の春であった。市街地からこの高原に再就職してきた私は、ある日、はるな郷の夜空の美しさに驚いた。ある職員は「ここは星座がそのまま見れますよ」と言うのだが、星座の知識が全くない私は、一斉に覚醒したかのように光度を増した満天の星に、ただただ感嘆するばかりであった。

宇宙では、星が生まれては死に、その死がまた新しい星を生んでいる。しかも、星が死んで大爆発を起こしたからこそ、生命誕生に必要な物質が生み出されたのだと、どこかの記事で読んだことがある。生が死で、死が生であることを無限に繰り返しながら、宇宙全体のあらゆる物事が流転している。星座が織りなすロマンの裏で、そんな壮大なドラマが、一瞬も休むことなく繰り広げられているというのだ。はるな郷の我々も、煌めく星座に囲まれながら、永遠に展開される流転のストーリーを紡いでいるのである。

冷静に考えれば、「鹿」には本来、何の意味も暗示もなかったのかもしれない。けれども、視点をちょっと変えてみると、鹿はたちまち姿を変えて、宇宙にまで広がり、私を包んでくれた。夢や希望というものは、いつもこんなふうに潜んでいて、私たちのすぐそばから駆け上がろうとしているのかもしれない。


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 知的障害者総合福祉施設
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